*** 登 場 フ ェ イ ズ ***
時間:45分[1シーン:15分]
目的:魔獣の事件の調査に向かう
***シーン 篝***
いつもの桜の丘
神界帰りの少年は青年に変わり、黄昏色の目は少し夜明け色を帯びていた。
「…あれから、半年近く開けちゃったや」
そもそも、現世に戻ってくるのが誕生日直後の酒飲みの時だったから…もう、三か月前だ
「これ、やっと持ってこれたよ」
そっと、緑に広がる大樹にオーパーツの四肢を立て掛け、その隣に腰かける
この半年以上、何をしていたかと言えば神界でヒルコのオーパーツのような義手義足の素材集めと作成であった。
予想よりも長くかかってしまったのは、単純にそれ以外にも新しい世界の歩みに価値を見出していたからだろう。
「もう一年半以上だもんな」
時の刻みに笑いながら、見ることのできなかった今年の花見に少し複雑な表情を見せる
…少しづつ、こうして僕は踏みしめ歩いてゆくのだろう
しばらく、変わらぬ景色を眺めて…ふと、懐かしい着信音が鳴った
「全く、騒がしいや」
そっと通話ボタンを押し、耳に当てる
「もしもし、篝です。…お仕事の件ですか?」
総帥「ああ、そのとおりだ。そろそろこちらの世界もよろしく頼むよ。もしも魔獣に敗北したら、君がまもったあの世界も崩壊するのだからね」